生成AIにおける「トークン」とは?をやさしく解説

はじめに
最近、「生成AIを使ってみたけど、思ったより長文が入らない」「API利用料が予想より高い」という声をよく耳にします。 実は、その裏にあるキーワードが 「トークン(token)」 です。
トークンは生成AIの世界ではお金にも性能にも直結する重要な概念ですが、まだ多くの企業利用者には十分浸透していません。 この記事では、ビジネス利用の視点からトークンをわかりやすく解説し、コスト削減や精度維持につながる実践ポイントを紹介します。
トークンとは何か?
一言で言うと、AIが文章を理解・生成するための最小単位です。
以下に、その具体例を示します。
「私は生成AIが好きです」
↓
["私は", "生成", "AI", "が", "好き", "です"]
↓
[101, 202, 303, 404, 505, 606] ← AIが扱うID列
つまり、AIは「文字」ではなく「トークン」で世界を見ています。
なぜ企業利用でトークンを意識すべきか?
1.入力制限がトークン数で決まる
「最大◯文字」ではなく「最大◯トークン」。 生成AIのモデルによって最大トークン長は異なりますが、長すぎる入力は途中で切られる可能性があります。
2.料金計算もトークン数で行われる
例えば「1Mトークンあたり◯ドル」という単位で課金。 トークンが多いほど料金が増えます。
3.精度にも影響
モデルが扱える情報量(コンテキスト長)を超えると、古い情報から忘れ始めます。
実務で有効!トークン数削減の5つのコツ
1.冗長な表現を短くする
- Before:「私は本日、生成AIを用いて文章の要約作業を行います。」
- After:「今日は生成AIで文章の要約を行います。」
2.敬語を簡潔化する
- Before:「〜でございますが、〜を実施いたします。」
- After:「〜ですが、〜します。」
3.固有名詞は英語や略称にする
- Before:「マイクロソフト社のAzureプラットフォーム」
- After:「Microsoft Azure」
4.数字や日付は半角にする
- Before:「2025年8月13日」
- After:「2025年8月13日」
5.長文は段落ごとに分けて処理する
トークン数を測る方法
正確に測定するには、
・OpenAI公式トークナイザー:https://platform.openai.com/tokenizer
・各APIの usage 情報、または専用の count_tokens 関数で計測
などですが、実際の現場では、以下のような概算計算をするのが便利です
・日本語は1文字≒1トークン、英語は4〜5文字≒1トークン
日本語と英語で違う
同じ意味の文章でも、言語によってトークン数は変わります。
例1
言語 文章 トークン例 トークン数 日本語 私は生成AIを使います。 ["私は", "生成", "AI", "を", "使い", "ます", "。"] 7 英語 I use generative AI. ["I", "use", "gener", "ative", "AI", "."] 6
例2
言語 文章 トークン数 日本語 私は日々、生成AIを活用して文章作成や要約、アイデア出しを行っています。生成AIは人間の発想を広げ、効率的な作業を可能にします。 49 英語 I use generative AI every day for writing, summarizing, and brainstorming ideas. Generative AI expands human creativity and enables efficient work. 28
日本語の場合、助詞や活用語尾が1トークンになるため、日本語は英語と比べてトークン数が多くなりがちです。
日本語を英語に翻訳すると、「文字数ベース」でだいたい 1.6〜2.4倍 に膨らむことが多いようです。英語は日本語とくらべて文字数的に2倍とし、4文字1トークンと計算されると考えると、同じ内容の文章を処理するとしたときには、英語は日本語に比べて約半分のコストになると言えます。
まとめ
生成AIの利用において、トークンは処理できる情報量や利用コストを左右する重要な指標です。入力制限や料金計算は文字数ではなくトークン数で決まるため、その仕組みを理解しておくことは、長文処理や大量データを扱うビジネス現場では欠かせません。
特に日本語は構造上トークン数が多くなりやすく、何も意識せずに利用すると必要以上のコストが発生したり、精度の低下を招く恐れがあります。しかし、冗長な表現の削除や表記の工夫といったシンプルな改善だけでも、10〜20%の削減はすぐに実現可能です。
トークン数の削減は、単なる経費節約にとどまらず、モデルの応答精度を高める効果もあります。
この“生成AIのトークン”を意識し、プロンプト設計や文章作成の段階から最適化を図ることが、生成AI活用力向上に直結します。
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筆者
AITC センター長
深谷 勇次


