チャットボット連携で業務システムを操作!事例も紹介

生成AIを使って自身の業務を効率化したいのに、作業時間の短縮になかなか繋がらないと感じていませんか?様々な業務に応用できる便利な生成AIモデルですが、実際に業務効率化を実現するとなると、高いハードルを感じてしまう方が多いかと思います。

最大の要因は、業務で生成AIを利用することに伴い、新たな作業が発生する点です。具体的には、次のような作業が追加で必要になります。

  • プロンプト(生成AIへの指示文)の作成
  • 入力データ(参照させる文書や帳票など)の準備・投入
  • 生成AIの設定パラメータの調整
  • 生成結果の確認・修正

これらの手間が、生成AI導入の効果を相殺してしまうことがあります。

そこで本記事では、生成AIと日常的にお使いの業務システムを連携し、

  • 既存システム上でチャットボットによる対話を行う
  • シンプルなボタン操作で、生成AIに業務の一部を実行させる

といった形で、新たな作業の発生を最小限に抑えつつ業務効率化を実現した事例を、3件ご紹介します。
さまざまな業種のお客様に当てはまる事例を取り上げていますので、本記事を参考に、より効果的な生成AIの活用をご検討いただければ幸いです。

生成AIと業務システムをチャットボットで連携させるメリットとは?

生成AI活用のために、生成AIと業務システムを連携する一番のメリットは、生成AIの利用の手間を削減できることです。

生成AIを使えば使うほど、利用自体にかかる手間は大きくなる

弊社の調査で、生成AIの1回の利用にかかる準備や生成AIの操作時間は3分~5分であるとわかりました。ユースケースによってはもっと時間がかかる場合もありますが、少なくとも1回の生成AIの利用には3分以上はかかると想定しておく必要があります。

たった3分と感じられるかもしれませんが、実際に生成AIを業務に適用して成果を出すには1日の業務の中で何度も生成AIを活用する必要があります。たとえば1日10回生成AIを利用するとなると、1日のうち30分~1時間程度は生成AIを使用するため、今まで必要なかった作業が新たに発生してしまっていると言えます。

この図は、生成AIにプロンプトや業務データを入力する際の手間とその結果としての導入効果の低下を示しています。左下には青い服を着た人物が右手で顎に手を当てて考え込んでいるイラストがあり、これは入力作業の手間や困惑を表現しています。中央には左右に矢印が描かれた長方形の図があり、これはデータ入力やプロンプトの操作を示唆しています。全体として、生成AIの導入における手間と効果のバランスが取れていないことを視覚的に表現しています。

この生成AIを使用する際の作業には、作業の背景や指示、出力の具体的フォーマットを示したプロンプトを作成する作業も含まれています。
例えば、以下のようなデータを生成AIによって活用するには、社内文書や業務システムから出力される帳票データをプロンプトにコピペするといった作業も含まれます。

  • 報告資料
  • 過去事案のレポート
  • 製品情報
  • 顧客情報
  • 売り上げデータ

すでに、生成AIを活用している方は共感していただけるかもしれませんが、プロンプトに含まれる指示文はかなり詳細に記述しないと目的の出力は得られません。さらに、データをコピペするといった作業も、文書ファイルやシステム上のデータを必要な箇所だけ選んだうえで生成AIが理解しやすい形に加工して入力する必要があり、時間も神経も必要とする作業になります。

システム連携によりプロンプトを考える手間もデータ入力する手間も削減

システム連携により、業務システムから生成AIへ文書ファイルや帳票データを直接渡し、細かな指示はシステム側が自動で付与します。これにより、利用者が前処理や指示作成を行わなくても目的の出力を得られます。さらに、生成結果はそのまま業務アプリケーションへ反映できます。

こうすることで、生成AIを使う際に発生する新たな作業を極限まで削減可能です。さらに、プロンプトエンジニアリングといったスキルがなくても、生成AIからチャットボットを操作する感覚で得たい結果を生成AIから引き出せます。

生成AIと業務システムを連携させて業務効率化を実現させた事例

ここからは、実際に生成AIと業務アプリケーションを連携させた事例を紹介します。

1. 生成AIによるCRM(顧客関係管理システム)の顧客情報の分析

生成AIの連携先としてまず紹介するのが、CRM(顧客関係管理システム)になります。

CRM上の顧客情報を生成AIにより文書で簡単に分析できれば、分析操作にかかる業務時間を大幅に短縮できます。たとえば「○○業界のお客様の過去4か月間のニーズを分析して」といった分析や「顧客セグメント別に来月のメルマガで実施するキャンペーンを考えて」といったアイデア出しは生成AIに得意な分野であり、極めて正確かつ高速に実施できます。

また、チャットボットとしていつでもシステム上で相談できるような機能を用意しておけば、「○○商事の社内の担当者を教えて」、「△△不動産への前回訪問日はいつ?」といった細かい情報を客先での商談中に、迅速にCRM内の情報を確認できます。

もしこういった、データ分析を生成AIで既存システムと連携することなく実現しようとすると、一旦CRMからデータを出力し、加工し、分析観点といった細かい指示をプロンプトに設定する必要があり、あまり効率化につながるとは言えません。CRMと生成AIが利用者の意図に従ってデータを連携できて初めて、生成AIによる業務効率化が達成されます。

最近は、CRMパッケージ自体が生成AIを機能として盛り込んでいるケースも多く簡単な設定で気軽に生成AIと連携可能です。Microsoft Dynamics 365やSalesforceはAIエージェントとの連携技術であるMCP対応を進めており、現在急速にビジネスの現場に普及しつつあるAIエージェントとの親和性も高いと言えます。

こういったCRMパッケージの生成AI機能を導入していない方もアプリケーション同士の連携機能であるAPIを活用し、システム開発により生成AIをお使いのCRMに導入できます。

2. 生成AIによる申請管理システムの自動レビュー

どんな企業にもかならずあると言っていいほど存在するのが申請管理システムですが、申請管理システムも生成AIと非常に親和性の高いシステムとなります。

もっとも導入効果の高いユースケースは生成AIによる申請の自動レビュー機能です。申請は申請者によって項目が正しく書かれているかのバラツキが酷く、申請に慣れていない社員からの申請は修正するポイントが大量に出てきてしまいます。

すべての修正箇所を人手で確認し、修正依頼を出していては作業量が過大になります。生成AIに申請内容の自動確認と修正指摘を任せ、指摘解消後の申請だけを人が最終確認すれば、品質のばらつきを抑えつつ、確認作業を大幅に効率化できます。

毎回人が申請内容をコピペして生成AIに入力するのではなく、生成AIが申請管理システムと連携し、申請内容を自動的に取得、確認結果も申請管理システム上で確認できるようにしておくことが業務効率化のポイントとして重要になります。また、確認の観点も人間が毎回設定するのではなく、申請管理システム側から自動的に生成AIに与え、確認自体の質も担保できます。

さらに、応用的なユースケースとして、申請内容が承認条件を満たしているか生成AIに確認可能です。もちろん最終的な承認は人の手で行いますが、事前に生成AIが確認し承認自体の作業時間も削減できます。

また、利用者がチャットボット的に生成AIと申請の内容について相談するだけで、生成AIに申請内容の草案を考えさせる等のユースケースも考えられます。

3. 生成AIによる人事コンシェルジュ

生成AIを人事規定や勤怠管理システムといった人事系のシステムと連携しチャットボット化するして人事コンシェルジュを開発可能です。

入社直後の方は、働き方や人事制度に関する前提知識がない状態です。膨大な規程の読み込みや、見慣れない社内システムの操作が必要になり、情報の所在を探す、操作方法を別資料で確認するといった調査・学習作業が多く発生します。

生成AIを活用した人事コンシェルジュをチャットボットとして運用することで、新たに参加したメンバーの立ち上がりを支援できます。既存社員にとっても、十分なメリットがあります。

無機質な規定文書を読んだり、関係者をたらい回しにされながら様々な人に聞くよりも、チャットボットに相談するほうが精神的な負荷が下がるので、会社への定着率の改善にも期待できます。

本事例は、業種や規模を問わず多くの企業に当てはまります。

まとめ

今回ご紹介した事例はどの業界どの企業にも当てはまる既存業務システムと連携し、チャットボットや簡単な画面操作で業務効率化を実現できる事例でしたが、これ以外にも生成AIと連携し業務効率化を実現できる業務システムは非常に多いです。

理想は、ユーザーが生成AIの存在を意識せず、従来どおり業務システムを操作するだけで、背後で生成AIが自動的に業務を遂行している状態です。言い換えれば、実効的な業務効率化は、生成AIと業務システムのシームレスな連携によってこそ実現します。

生成AIと業務システムとの連携で業務効率化を実現したい方はぜひお問い合わせください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆
AIトランスフォーメーションセンター
徳原光