Microsoft Build 2026キーノート徹底解説

こんにちは、生成AIサービスKnow Narratorを開発している、AITC製品開発グループの御手洗です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?私はサンフランシスコで開催されているMicrosoft Build 2026の現地会場で、ついさきほどこの記事を執筆したところです!
本記事では、Microsoft Buildのキーノートから注目トピックを抽出して、お伝えします。
(写真は会場で配られていたアイスです。齧る前に撮ればよかった。。。。)

目次
Microsoft Buildとは?
Microsoft Buildとは、年に一回開催される、主に開発者向けの大規模なカンファレンスです。
特にキーノートでは、Azure、M365、WindowsなどMicrosoftの様々なサービス/ソリューションの目玉となる新機能、新サービス、そして目指していく世界観などが発表されます。
また、キーノート以外にも、新機能のデモ、ハンズオン、Microsoftのエンジニアへの質問会、テーブルトークなど様々なセッションが提供されています。
今年は2026/6/2(火)~2026/6/3(水)の2日間、サンフランシスコで開催されました。
全体感
今回打ち出されたメッセージ
今回のキーノートは去年までに比べても、非常に情報量が多い内容でした。しかし、キーノートで打ち出されたメッセージは非常に一貫していたと感じました。
それはAIエージェントをもはやCopilot(副操縦士)ではなく、企業のなかで自律的に、独立して働く実行主体として位置付けている点です。
AI技術スタックを構成するレイヤー
キーノートの冒頭では、AI 時代の技術スタックを大きく以下の4つのレイヤーで整理する視点が紹介されました。
- PC等エッジデバイスからクラウドまで広がるコンピュート
- モデル、コンテキスト、ツールから成るAIインテリジェンス・レイヤー
- エージェントやアプリケーションの実行環境
- エージェント/アプリケーションを構築するための開発ツール
そして、この4つのレイヤー全てを、セキュリティ・ガバナンスが包んでいます。
AIエージェント時代に向けて、Microsoftはこれら4つのレイヤーとそれを包むセキュリティを最適化するという一貫したコンセプトのもと、各種の新サービス・ソリューションを位置付けているのが印象的でした。
1. コンピュートレイヤー
ローカルAI実行基盤としてのWindows
今回のキーノートでは、Windowsを「トークン消費を気にせずAIエージェントを動作させるエッジデバイス」として再構成するコンセプトが強く打ち出されていました。
これを実現するために、Windows上に標準搭載されるモデルとして、Ion Instructと、Ion Planという二つの独自モデルが発表されました。
Ion Instructは推論に強い軽量モデル、Ion Planはエージェントによる計画やツール実行などを担う推論モデルです。
MicrosoftはWindowsにこれら二つのモデルを標準搭載することで、PC自体がAI実行環境になる世界を描いています。
ローカルでAIを実行できるようになることで、クラウド利用料を抑えながら、低遅延で、かつ手元のデータを活用したエージェント体験を作りだせるようになります。
今後は、これまでよりもさらに「ローカルAIエージェント」という選択肢が重要になるかもしれません。
開発者向けの「夢のマシン」:Surface RTX
ローカルAI実行基盤の象徴として、そして開発者向けの「夢のマシン」 として、NVIDIAと連携したSurface RTXが発表されました。
これは、CPU、GPU、AI能力を統合したSoCと、最大128GBのメモリを搭載した開発者用マシンです。
以下に、Surface RTXの注目機能をいくつか掲載します。
ローカルLLMによるエージェントの並列実行
Surface RTXはLLMをローカルで動作させることに最適化されたWindowsマシンです。
キーノートのデモでは120BパラメータのローカルLLMを、複数のエージェントで並列に使う様子が紹介されていました。
エージェント開発では、調査、実装、テスト、ログ解析など、複数の作業を同時に走らせたい場面が多くありますが、これまでは常にトークンが制約となっていました。
ローカルで大規模モデルを扱える環境が整うことで、コーディングエージェントをトークン使用料を気にせずにフル活用できる未来が訪れるかもしれません。
Intelligent Terminal
また、Intelligent Terminalという新ターミナルも発表されました。これは一言でいえば、エージェントとシームレスに開発することに最適化された新ターミナルです。
デモでは、上側に通常のターミナル、下側にエージェント用ペインがあり、開発者がコマンドを実行している横でエージェントがそれを確認して動作する様子が示されていました。

これは単にUI上の工夫でペインが分かれているのではなく、開発者が使うターミナルで起きているコンテキストをそのままエージェントと共有できることが強みとなっています。
たとえば、コマンド実行時のエラー、ログファイル、ビルド結果などをエージェントがその場で読み取り、修正案や次の調査方針を提示できます。開発者にとっては、ターミナル作業そのものがAIと共同作業する場に変わっていくイメージです。
様々な開発への最適化
他にも、「開発者としてのWindows」というコンセプトを実現するための機能として以下のようなアップデートが紹介されました。
これらのアップデートには、Microsoftが改めてWindowsを「AIエージェントと開発をするためのデバイス」として再構成するという強い意志が表れているように感じます。
- Zsh、Homebrewへの対応
- CLIコマンド拡充:grep、tar、sudo、head、tail、touchなどのネイティブサポート
- File ExplorerからGitの履歴などを確認できる機能
- WSL Containers:コンテナのビルドや管理などを統一的に行うツール
- Python、Node.jsなどの事前セットアップ
- winget configuration:YAML定義による開発環境のセットアップ
個人的には、CLIコマンドの拡充やZshへの対応が非常にうれしいです。
Project Solara:エージェント時代の新しいデバイス
また、Project Solaraというエージェント時代における新しいデバイス利用の世界観も紹介されました。
これは「様々なデバイスが連携することで、必要なタイミングで、必要な場所にAIエージェントが現れる」という世界です。
キーノートでは、こうした世界観を実現するための新デバイスとして、以下の二つのデバイスが紹介されていました。
- デスクに置く据え置きデバイス(Amazon Echoのようなイメージ)
- 首から下げるバッジ型のデバイス


デモでは、医療従事者が首に下げたバッジ型デバイスにエージェントがおり、患者のバイオテレメトリをデバイスで読み取ると、エージェントが分析してチームに共有する業務活用の例が紹介されました。
今後は、現場作業、医療、製造、店舗、物流など、PCを開いて作業することが難しい業務でも、専用デバイスを通じてエージェントが業務に参加するようになるかもしれません。
2. AIインテリジェンス・レイヤー
AIインテリジェンス・レイヤーでは、モデルそのものの性能だけでなく、エージェントにどのようなコンテキストを与えるかの重要性が強調されていました。
どれだけ高性能なモデルであっても、業務に必要な情報、社内ルール、データの意味、利用可能なツールを知らなければ、実際の業務を任せることはできません。
Microsoft IQ:エージェントのための業務コンテキスト統合
キーノートでは、エージェントに与える情報を最適化する仕組みとして、以下の3つのIQレイヤーが紹介されました。
この3つのレイヤーによって、外部情報、企業内のデータモデル、社内ナレッジを、エージェントが使いやすい形で提供できるようになります。
また、これらのIQレイヤーはMCPに対応しているため、Microsoft Copilotだけでなく、他のエージェントや開発者が構築するアプリケーションからも利用しやすい設計になっている点が重要です。
| レイヤー | 担当する情報 | 概要 |
|---|---|---|
| Web IQ(New) | Web、ニュース、画像、動画などの外部情報 | Web、ニュース、画像、動画などの外部情報を、エージェントが安全・効率的に使えるよう最適化された構造で提供する仕組み。モデル非依存でMCPネイティブであるため、Copilot以外のエージェントからも利用可能。 |
| Fabric IQ | 企業内部の業務の概念モデルを担当する | Microsoft Fabric上のデータを、Power BIの機能も活用しながらナレッジグラフとして構造化し、「業務の概念モデル」という形でAIエージェントに与える仕組み。 |
| Work IQ | SharePoint、Microsoft 365上の社内ナレッジ | SharePoint上の日々更新される情報などを参照し、実際の業務知識をエージェントに与える仕組み。 |

デモでは、長時間実行エージェントと3つのIQレイヤーを用いて、電力会社の最新情報をもとに、変電所で発生したインシデントに対応するシナリオが紹介されていました。そこでは、以下のタスクが行われています。
- 長時間実行エージェントが作業を開始
- Web IQで最新の電力情報を確認
- Fabric IQで、Web上の情報と関連する自社の電力網をナレッジグラフで特定
- Work IQで社内の手順書を探して、変電所のインシデント対応方法を確認
- 最後に、これまでに得られた情報をもとに、SharePoint上の手順書を更新
この機能の重要な点はエージェントが「検索して回答する」だけではなく、外部情報、社内データ、業務手順を横断して理解し、最後は業務ドキュメントの更新まで行って自律的にメンテナンスする点です。
こうしたコンセプトがさらに洗練されていくと、SharePoint上のファイルや社内ナレッジの活用からメンテナンスまでを、AIエージェントに任せられる領域が広がっていきそうです。
Horizon DB:エージェント時代のデータベース基盤
AIインテリジェンス・レイヤーに関連する発表として、Azure上の完全マネージドPostgreSQLサービスであるHorizon DBも紹介されました。

Horizon DBは、特に読み取りが多いワークロードをスケールさせることに重点を置いた、フルマネージドのPostgreSQL データベースです。キーノートでは、セルフホスト型のPostgreSQL構成と比較して3倍のスループットを提供できる点が説明されていました。
エージェント型アプリケーションでは、データベースやナレッジベースへの問い合わせが増えます。たとえば、エージェントが複数の候補を調査したり、過去の履歴を参照したり、社内データと外部情報を突き合わせたりする場合、裏側では多くの読み取り処理が発生します。
そのため、エージェント型アプリケーションでは、モデルやプロンプトだけでなく、高可用性、読み取りスケール、安定したスループットを備えたデータ基盤が重要になります。Horizon DBは、そのためのPostgreSQLマネージドサービスとして位置づけられていました。
3. エージェント実行環境レイヤー
エージェントは作るだけでは意味がありません。自由に動くことができ、状態を持ち、長時間実行可能で、ツールを呼び出せ、失敗から回復し、継続的に改善していく必要があります。
このレイヤーで重要なのは、エージェントに業務を継続的に進められる実行環境を提供することです。
Foundry Hosted Agent
Foundry Hosted Agent自体はBuildよりも前に発表された機能で、エージェントに専用のサンドボックス環境を与え、そのなかでエージェントが持続的に、ファイルの読み書きをしたり、ツールを実行したりできます。

今回のBuildでは新たに、Foundry Hosted AgentをIQレイヤーと接続できる機能や、さらに強化された評価・トレース・モニタリング機能が発表されました。
デモでは、エージェントごとに専用の実行環境が立ち上がり、セッションごとの永続ファイルシステムを持ちながら作業を進める様子が紹介されていました。
これは、エージェントが一時的な回答を返すだけでなく、作業途中のファイルや状態を保持しながら、長時間のタスクを進められることを意味します。
また、実行履歴のトレースや評価機能が強化されることで、企業はエージェントが何を行ったのかを確認し、品質を評価し、継続的に改善できます。
この機能によって、企業は安心・安全にエージェントを実行し、運用しながら改善していけるようになります。
エージェントをWindows上で安全に実行する:MXC
MXCは、Microsoft Execution Containersの略称です。これは簡単にいうと、Windows上でOpenClawなどの自律型エージェントを安全に動作させるための隔離・制御のための機能です。

OpenClawなどの自律型エージェントは非常に便利な一方で、ファイル削除や外部送信のような操作を誤って実行するリスクもあります。
MXCは、そうしたリスクをOSレベルで抑えながら、ローカルエージェントを業務利用しやすくする仕組みです。
より具体的には、普通のコンテナ環境とは異なり、OpenClawのようなエージェントが、ファイル、ネットワーク、OS操作などへのアクセスのうち、どこまでのアクセスを許可するかをWindows側で制御する仕組みです。
この機能によって、例えばOpenClawなどをWindowsにインストールしている場合でも、以下のようにアクセス範囲を制限することで、これまでよりも安全に利用可能になります。
- このフォルダは読める
- このフォルダは読み取り専用
- この場所は見せない
- インターネットアクセスは許可しない
- クリップボードは使わせない
OpenClaw Windows Companion App
OpenClaw Windows Companion Appは、OpenClawをWindows上で使うためのネイティブアプリです。
さきほど紹介したMXCをもとに、Windows上でOpenClawを安全にセットアップ・接続・操作するための管理機能が提供されています。
キーノートのデモでは、OpenClawがデスクトップ上のファイルを削除しようとしても、MXCによって読み取り専用の制限が効き、ファイルが保護される様子が紹介されていました。

4. 開発ツールレイヤー
開発ツールレイヤーでは、GitHub Copilotが複数のエージェントを管理し、エージェントと一緒に開発作業を前に進めるための作業基盤として打ち出されていました。
GitHub Copilot App:エージェント開発用アプリ
キーノートでは、ローカルPC上で動作する開発者向けアプリであるGitHub Copilot Appが紹介されました。

Github Copilot Appでは複数のコーディングエージェントの作業セッションを同時に立ち上げ、それぞれが別々の課題に取り組む様子を一元的に管理できます。
デモではリリース前に残っている複数の重要課題に対して、Copilot Appが課題ごとに作業セッションを作成し、エージェントが並列に修正作業を進めていました。
また、Agent Mergeという機能も紹介されました。これは、エージェントが作成した変更について、CI、コードレビュー、マージコンフリクトの解消などを継続的に支援する機能です。
GitHub Copilot Appは、AgentにISSUEに対応したコードを書かせてPRを出させるだけでなく、作業を完了させるところまで支援するという方向性を強く打ち出していました。
Canvas:エージェントが状況に応じてUIを作る
GitHub Copilot Appのデモでは、Canvasという新しい概念も紹介されました。
これは、エージェントがユーザーとやり取りするために、その場でUIを生成し、UIをベースにエージェントとコミュニケーションができる仕組みです。
例えば、フロントエンドの開発中に動的にUIを描画し、そのUIの修正箇所を直接エージェントに指示するという使い方ができるようになります。
またそれ以外にも、Canvasではエージェントとの作業中に、作業に必要な情報だけをその場で整理したUIを即興で作り、見やすく整理して表示することもできます。
現在はまだGithub Copilot Appだけの機能ですが、これがさらに広がると、ユーザーのニーズに応じて動的にその場でUIを生成するようなアプリケーションの体験が主流になるかもしれません。
Rayfin:エージェントが作ったアプリを企業利用に乗せるためのバックエンド
GitHub Copilot Appのデモでは、エージェントがアプリケーションを作るだけでなく、それを企業の管理された環境にデプロイするための仕組みとして、Rayfinも紹介されました。

Rayfinは、AIエージェントが生成したアプリケーションに対して、認証、データ、ストレージなどのバックエンド機能を提供するためのSDKです。
AIエージェントによって、アプリケーションのUIやコードを作るハードルは大きく下がっています。一方で、企業で実際に使うためには、ユーザー認証、データ管理、権限、監査、運用管理といったバックエンド側の要件を満たす必要があります。
デモでは、作成したAIエージェントアプリケーションを、RayfinによってMicrosoft Fabric上の企業管理された環境にデプロイするデモが紹介されていました。
これは、AIエージェントによって大量に作れるようになったプロトタイプと、企業システムとしての「本番利用」とのギャップを埋めるための機能です。
5. ガバナンス・セキュリティ
エージェントが業務のなかで自律的に動くようになると、企業にとって最も重要になるのがガバナンスです。
AIエージェントをコア業務に組み込むためには、エージェントがどの情報へアクセスし、どの操作を実行したのかを管理する必要があります。
Agent 365:エージェントをユーザーやデバイスと同じように管理する
今回のキーノートでは、Agent 365がエージェントの制御レイヤーとして紹介されました。

Agent 365は一言でいえば、エージェントに対してID、アクセス制御、セキュリティ監視、データ保護、コンプライアンス管理を提供する仕組みです。
この機能は、Microsoft Entra、Defender、Purviewといった既存のMicrosoftの管理・セキュリティ基盤を、エージェントに拡張する形で実現されています。
これによって、新しいAI専用の管理基盤をゼロから導入しなくても、既存のID管理、セキュリティ監視、情報保護の仕組みの延長としてエージェントを管理できるようになります。
また、Agent 365はAzure上のエージェントだけでなく、ローカルWindows上で動くエージェントや、さまざまなフレームワークで構築されたエージェントも対象にできると説明されていました。
AIエージェントの活用が進むと、組織にはエージェントが爆発的に増えることが予想されます。Agent 365は、それらを横断的に可視化・管理するための基盤として位置づけられています。
6. Copilotと業務エージェントの進化
ここまで紹介した内容は、主に開発者がエージェントを作り、動かし、管理するための基盤でした。
一方で企業ユーザーが日常業務の中でエージェントをどのように使うかという観点でも大きな発表がありました。
Autopilots:企業向けの自律型業務エージェント
新たに紹介されたAutopilotsは、企業向けの自律型エージェントです。キーノートではこれを、長時間実行エージェントとして説明していました。

最初のAutopilot: Scout
最初のAutopilotとして紹介されたのが、Scoutです。

Scoutの画期的な点は、OpenClawのようにTeams, Outlook, Sharepointなど様々なアプリケーションに接続でき、さらにCopilot上でのユーザーによる実行がなくても、自分が接続されたアプリケーションの状態変化をもとに動作を開始できる点です。
これによって、例えばScoutをTeamsのグループに参加させて、適宜関連するトピックがあればユーザーやチームの代わりにメールを処理したり、ファイルを編集させるといった使い方ができます。
これによって、エージェントは「質問に答える存在」ではなく、チームの一員として会話に参加し、作業を引き受ける存在として位置づけられている点です。
Copilotが「AIワークスペース」へ
キーノートでは、Copilotが今後、チャット、業務タスク、コーディングを統合した「Copilot Super App」のような存在へ進化していく方向性も示されました。
このSuper appでは、以下のようなこれまでバラバラに存在していた×××Copilotたちが、単一のAIワークスペースとして統合されます。
- Github Copilot
- Copilot chat
- Copilot Cowork
- Autopilot
エージェントが自律した作業主体となることを考えると、Copilotは今後、単なるAIエージェントを利用するための入り口ではなく、業務そのものの共通の入り口となる世界が来るかもしれません。
7. 新モデルの発表
Microsoft AIから、画像生成・編集、音声合成、文字起こし、推論、コーディングなど、複数の用途に向けた新たな独自モデル群が発表されました。
注目すべき点は、これらのモデルが「巨大な汎用LLM」ではなく、用途ごとに最適化されたモデルを選べる方向を目指している点です。
企業でAIを本番利用する際には、精度だけでなく、応答速度、コスト、セキュリティ、運用のしやすさが重要になります。
たとえば、コールセンター業務の音声エージェントでは低遅延が求められたり、会議の文字起こしでもリアルタイム性が求められます。
以下に、今回発表された新モデルの一覧を掲載します。
| モデル | 主な用途 | 特徴 | 期待される活用シーン |
|---|---|---|---|
| MAI Image 2.5 | 画像生成・画像編集 | 高品質な画像生成・編集向けモデル。編集の一貫性や制御性が強調されていました。 また、高速版であるMAI Image 2.5 Flashもあわせて発表されました。 | PowerPointやOneDriveなどでの資料作成、マーケティング素材作成、クリエイティブ制作支援など |
| MAI Transcribe 1.5 | 音声文字起こし | 43言語に対応する文字起こしモデル。高速かつ高精度な文字起こしが強調されていました。 | 会議議事録、コンタクトセンター、商談記録、動画・音声データのナレッジ化 |
| MAI Voice 2 | 音声合成 | 自然な抑揚や感情表現に対応した音声生成モデル。15言語に対応し、今後さらに拡大予定と説明されていました。 | 音声エージェント、ナレーション生成、多言語カスタマーサポート |
| MAI Voice 2 Flash | 低遅延な音声合成 | 応答速度を重視した音声生成モデル。特にリアルタイム性が求められる音声エージェント向けです。 | コールセンター、リアルタイム音声対話、店舗・受付などの対話型AI |
| MAI Thinking 1 | 推論・複雑な業務タスク | Microsoft初の推論モデルとして紹介されました。長いコンテキストを扱い、複雑な判断やコーディングにも対応するモデルです。 | 業務判断支援、調査・分析、複雑なワークフローを扱うエージェント |
| MAI Code 1 Flash | コーディング支援 | VS CodeやGitHub Copilot CLI向けに最適化された、効率重視のコーディングモデルです。 | コード生成、修正、レビュー、開発者向けエージェントの高速化 |
8. Microsoft Discovery:研究開発にも広がるエージェント活用
最後に、Microsoft Discoveryについても触れておきます。
Microsoft Discoveryは、科学研究や素材開発などの領域に向けたエージェント型の発見支援プラットフォームです。
デモでは、プラスチックを分解する新しいタンパク質を探索するシナリオが紹介されました。
エージェントが既存研究を調査し、仮説を立て、候補となるタンパク質を探索し、シミュレーションを行い、さらに実験室で検証するための手順まで作成するという流れです。
AIエージェントは、複数の専門ツールを使い、長時間にわたって試行錯誤し、人間の専門家と協力しながら成果物を生み出す存在になっていることを示しています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今年のBuildは例年よりも短い2日でしたが、キーノートのトピックは例年以上に非常にホットで盛りだくさんでした。
私たち電通総研のAIトランスフォーメーション部では、こうしたイベントへの参画などを通じて先端知識へのキャッチアップに力を入れています。
カジュアル面談も実施していますので、興味がある方は是非以下のフォームから申し込みしてください!
執筆
AI製品開発グループ
御手洗拓真

