Microsoft Build 2025 キーノート速報

こんにちは、AITC 製品開発グループでKnow Narratorのプロダクト・オーナーをしている御手洗です。
この記事では「キーノート速報」(速報といっても10時間ほど経っていますが)と題して、シアトル現地からMicrosoft Build 2025のキーノートの内容を紹介します。
※ なお、キーノートのすべての内容を完全に網羅している訳ではありません。気になる方は是非You Tubeからご覧ください。
目次
Microsoft Buildとは?
「Microsoft Build」は、マイクロソフトが年に一度開催する主に開発者向けの大規模なカンファレンスです。Azure, Windows, O365 などMicrosoftの様々なサービスのアップデートや新サービスの発表が行われます。ほかにも、開発者向けのベストプラクティスやデモ、体験など多様なセッションが用意されています。
今年は5月20日~5月24日の間、米国はシアトルとオンラインのハイブリッドで開催されています。
キーノートのトピック抜粋
それでは、キーノートのトピックを紹介していきます。2025年も、キーノートの話題はほとんどがAIが占めていました。
特にMCP, Agentの話題が多くMicrosoft社が本気で全てをAgentとつなげる「Agentic World」の構築を目指していることが非常に伝わってきました。
GitHub Copilot
GitHub Copilotに関しては大きなアップデートが二つありました。
GitHub Copilotのオープンソース化
GitHub CopilotがVS Codeとおなじリポジトリ上にオープンソース化されます。これによってGitHub Copilotの進化がさらに加速され、開発用AIのデファクト・スタンダードになるかもしれません。
Coding Agent / SRE Agent
GitHub Copilotの機能が大幅に強化されます。新たなCoding Agentはコードを作成するだけではありません。
システムに不具合が生じたときにはバグの根本原因を分析し、対応方針を詳細化してGithub Issueのチケット作成まで自律的に行います。さらに、そのチケットをGitHub Copilot自身に割り当て、バグ修正、テスト、PR提出までを任せることもできてしまいます。
デモでは、実際にGithubのISSUEに記載された「グループの人数でフィルターする機能が足りない」というチケットを、GitHub Copilotが対応して機能追加する様子が示されていました。

M365 Copilot
M365 Copilotも非常に大きなアップデートが発表されました。M365の注目アップデートは大きく、Search, Notebook, Agent , Copilot Tuningとして紹介されていました。

Search
Searchは、一言でいえばSharepoint, Google Driveなど社内で使っているアプリを対象にしたDeep Researchのような機能です。これは待ち焦がれていた方も多いのではないでしょうか。ユーザーの質問から、社内の様々なデータソースを探索し、必要なものの内容を参照してユーザーの質問に答えてくれます。
Notebook
様々なデータをひとまとめにし、Copilotに読み込ませて質問ができる機能です。ドキュメントだけではなく、オーディオなども扱える旨が説明されていました。広くデータを検索したいというより、特定のテーマに絞って質問したいときなどに活用する機能です。GoogleのNotebook LMにイメージは近そうでした。
Agent
Agentは、ウェブデータに加えて、Outlook、Sharepoint、Teamsなど社内データも参照して、o3のような深い推論をもとに分析・回答を生成する機能です。さらにExcelなどテーブルデータを参照した予測や可視化も行えます。これによりDeep Researchだけでは難しかった、社内の機密を含む現状の立ち位置を考慮した戦略立案をAIができるようになるかもしれません。
さらに各エージェントは構築済みのほかのエージェントと共同させることも可能です。デモでは、提案書作成エージェントが提案書を作る際に、契約書作成エージェントにタスクを依頼する様子が紹介されていました。
M365 CopilotはTeamsとも強く連携しています。そのため作成したAgentに対しては、Teamsでメンションをしてタスクの依頼ができるようになります。こ
Copilot Tuning
M365 Copilotを自社のデータでFine Tuningできる機能です。これにより社内独自の専門用語や文書スタイルを踏まえて結果を出力するエージェントが作成できそうです。実際に、社内の契約書をファインチューニングをすることで、必要な情報を与えるとフォーマットに沿った契約書を出力する様子がデモされていました。

Azure AI Foundary
Grokが利用可能に
キーノートで最も会場が沸いたかもしれません。イーロン・マスクが映像出演し、Azure AI FoundaryからGrokが使えるようになることが発表されました。

Agent Service
あまり詳しく話されていませんでしたが、複数の生成AIエージェントをオーケストレートするエージェントのワークフロー機能がリリースされると説明されていました。semantic kernelとAutoGenともシームレスに連携されるとのことです。
今後、Microsoftのエージェント構築サービスはこの機能に集約していくかもしれません。(これは筆者の推測です)

アプリケーション基盤との連携
Agent Serviceで作ったエージェントは、Azure Container Apps, Azure Function, AKSなど様々なアプリケーション基盤へのシームレスなデプロイも推進されるようです。

Entra ID / Azure Defender連携
Azure Foundaryで作成したエージェントに対しては、Entra IDに登録できるようになります。これにより、エージェントの権限をほかのAzureリソースと同じように制御できるようになるようです。

また、Azure DefenderもAzure AI Foundryに統合されます。これによってエージェントをAPIのようにセキュリティの脅威から保護できるようになります。

MCPのWindowsネイティブサポート
クラウドだけではなく、Windowsのファイルシステム、ウィンドウ操作、WSLといったWindowsの基本機能までMCPサーバー化するとのことです。
このインパクトを示すデモとして、「現在開いているFigmaファイル」のデザインを直接GitHub Copilotがレジストリから探して参照して、そのデザイン通りの画面を実装する様子が示されました。
私たちが今PCでおこなっている操作をリアルタイムにエージェントが認識し、作業のコンテキストをすべて考慮してタスクをこなす世界もすぐそこかもしれません。

NLWeb
これは一言でいえば、すべてのWEBページをエージェントが利用できるようにするための標準化に向けたプロジェクトです。
MCPがHTTPだとすれば、NLWebはHTMLとのことです。NLWebの形式に従ってWEBページが実装されていれば、エージェントはそのウェブページから必要な情報だけを取得して利用できるようになります。
A2A, MCP(概要はこちらを参照:https://aitc.dentsusoken.com/column/a2a_mcp_ai_agent/)など標準化に向けた活動ではやや遅れをとっていたMicrosoftがここにきて「WEB」という世界での標準化をリードしようとしている、と解釈しました。

まとめ
非常に盛沢山な内容でしたが、いかがでしたでしょうか?
本日は「速報」としてキーノートの内容に絞ってご紹介しましたが、今日も明日以降も様々なセッションがあるので、改めて参加報告のコラムを作成したいと思っています。
もし何か気になる点などあれば、お気軽に以下のフォームからご質問ください。
執筆
AI製品開発グループ
御手洗拓真


