ブランドロゴ変更に伴い図面上のロゴの検索作業をDiCAで自動化
ブランドロゴ変更のため図面上の古いロゴをDiCAで一斉捜索!
製造業で保管されている図面には形状や寸法以外に、ロゴやラベルが描かれていることがあります。図面をTIFFファイルやPDFファイル、紙で保管している場合、欲しい図面を探し出すのは非常に大変な作業です。
さらにCADを使い、人力で書き換える作業も非常に労力がいります。
この作業を画像認識AIやAI-OCRを駆使して効率化するのが、ISIDのAIトランスフォーメーションセンターで開発された、図面活用AIソリューションDiCAです。
今回はDiCAの活用事例として、ブランドロゴの変更に伴い、過去の大量の図面から古いブランドロゴが使われている図面の検索と、ロゴが描かれている箇所の特定を行い、新しいロゴに書き換える作業の効率化例を紹介します
目視での確認作業には膨大な作業時間がかかり、さらに見落としのリスクも存在
新しいブランドロゴが発表されたため、製品のラベルも新しくなり、図面に記載された古いロゴラベルを新しいロゴラベルへ差し替える必要がありました。
図面管理システムで、属性としてロゴの有無を持っていない限り、図面中に記載されているマークやロゴは目視で確認が必要です。
これまでに製造してきた全製品の図面は数十万枚にのぼります。全て人の手で確認するには多大な労力がかかり、設計変更に支障をきたしてしまいます。
さらに、限られた期間での差し替え作業は、設計者の負担が増え見落としの危険性が増加します。
この様な理由から、ロゴの差し替え作業はなるべく人の手を使わず、高速に行う仕組みが必要になりました。
DiCAを導入することで、差し替えの対象のロゴの検索を自動化
DiCAの画像認識AIに検出したい古いブランドロゴを学習させることで、AIが自動で画像の図面データから対象のロゴを検出することが可能になりました。
ISIDの機械学習エンジニアが、検出対象のロゴ画像や図面画像を教師データとしてAIモデルを学習、DiCAに適用することで、図面上の検出対象のロゴをDiCAが一括検索できるようになるのです。
検出結果は上の図のように画面上で即座に目視確認することが可能で、さらに検索結果一覧をCSVファイルに出力することもできます。
検出に必要な時間はA2の図面で1分以内です。
AIはどれだけ連続で作業しても疲れることはないので、何十万枚の図面でも検出精度に影響はありません。また、対象のロゴが回転や反転している場合でも、問題なく検出することができます。
さらに RPAと組み合わせることで、DiCAの検出結果一覧を用いて新しいブランドロゴに自動で差し替えるシステムを構築することもできます。
モデルを追加することで他のマークにも対応
この活用事例では、古いブランドロゴの検出を行いましたが、DiCAは画像認識AIモデルの追加学習をすることで他のマークや記号の検出も対応可能です。
認証マークの検出可能なので、認証制度の変更や認証マークが変更された際もDiCAを使えば、変更前のマークを探す労力は必要なくなります。
今後さらにブランドロゴが変更されたとしてもDiCAなら柔軟に対応することが可能です。
また、DiCAはAI-OCR(光学文字認識)を搭載しているため、画像の中から文字を読み取りデータ化することで、図面から特定の文字列を検索したり、複数の図面間で記載された文字列を比較したり、同じ材料文字列が書かれた図面を検索することも可能です。
ご閲覧の皆さまもDiCAを使って図面データに関する課題を解決してはいかがでしょうか。
お問わせはこちらからお願いします。
執筆
AITCコンサルティンググループ
徳原光