AIコンサルタント・データサイエンティストの仕事内容のご紹介

こんにちは、AITCの小川です。 普段は、AIコンサルタントとして様々な企業様から預かったデータの統計的な分析や、AIモデル構築をする業務に携わっています。

この記事では、AIコンサルタントの仕事についてご紹介します。 AIコンサルタントというのはAITCの職種名です。一般的にはデータサイエンティストとも呼ばれています。AIコンサルタントをデータサイエンティストと読み替えていただいても問題ありません。

記事の対象者

  • AIコンサルタント志望の就活生
  • AIコンサルタントがどのような仕事をしているのか気になる方

記事を読むとわかること

  • AIコンサルタントがどのような仕事をしているのか

AIコンサルタントの仕事:5ステップ

まず、お客様からプロジェクト実施のご相談をいただくところから始まります。 相談内容というのは、例えば、需要予測を実施したいといったざっくりした内容の相談が多いです。

それだけでは、詳細がわからないため、具体的にどのようなことを実現したいのか把握するために「ヒアリング」を行います。 ここからAIコンサルタントの仕事が始まります。 ヒアリングに続いて、基本的に以下のようなステップでプロジェクトを進めます。

  • ヒアリング

    • お客様の実現したいことを具体的に伺って整理
  • 提案

    • 上記実現するためにどのような活動、技術を利用していくのかをお客様に提案
  • プロジェクト開始

    • 具体的にどのような活動、スケジュール、スコープで実施していくのか決定
    • データなどを受領してEDA(探索的データ分析)を実施
  • プロジェクト中盤

    • 途中結果の報告
    • 活動内容の修正
  • プロジェクト終了

    • 最終結果の報告
    • 次の活動の提案

各ステップでもう少し詳細にどのようなことをしているのか紹介します。

ヒアリング

お客様が具体的にどのようなことを実現したいのか伺うために、以下のようなことを聞きます。

  • 最終的に実現したいことは何か?
  • 背景にどのようなことがあるのか?
  • いつまでに実現したいのか?
  • 具体的にどのようなデータが利用できるか?

例えば、需要予測がしたいという相談に対して、以下のようなヒアリングを実施し、ヒアリング内容を整理します。

  • 商品X, Y, Zの需要量を予測したい
  • 人による予測のむらが大きいため、AIを使って安定的に需要量を予測したい
  • 8月までに実現可能か判断したい
  • 過去2年間の商品X及び類似商品の販売実績が使用できる

ヒアリングした内容をもとに提案を進めます。 この段階では詳細はあまり触れず、実際にプロジェクトが開始してから詳細な条件を整理していきます。

提案

ヒアリングで整理した内容にしたがって、どのような手段でお客様の課題を解決するのか提示します。 パワーポイント等を使用して、プロジェクトの実施事項を提案書として資料にまとめ、以下の内容を記載します。

  • どれくらい工数(作業量)がかかるのか
  • 何人メンバーをアサインするのか
  • いつまでに実施する必要があるのか
  • どのような内容の活動をするのか
  • どのようなスケジュールにするのか

工数やアサインされる人数などのプロジェクトの規模感ですが 、AITCでは3~4人体制で3ヶ月程度の期間で週1~2日をプロジェクトのための時間にあてることが多いです。

お客様の担当者に対してプレゼンを行います。その後に担当者の上司の方などの承認により、実際にプロジェクトを進めるかどうかの判断をしていただきます。 また、実際にプロジェクトが始める前に秘密保持契約などの契約を済ませておきます。

プロジェクト開始

無事提案が通れば、プロジェクトの開始です。 最初の打ち合わせは、提案書などを用いて今後のスケジュールや会議体(会議の形式や実施頻度)の確認をすることが多いです。

次に、プロジェクトにおいて最も重要なことを決めます。 それは、活動の目標の設定と優先順位の整理です。 お客様が実現したいことを洗い出して、具体的な目標を設定します。 また、工数には限りがあるため、何を優先的に実施するのかを整理します。

そして、実際にデータをいただき、分析やモデル構築を開始します。 といってもいきなり詳細な分析やモデル構築はせず、いわゆるEDA(探索的データ分析)を行います。 欠損値などはないか、データの意味がわからずどう扱ってよいか不明の箇所はないかなどを確認します。 また、散布図などを用いてデータの傾向を可視化して、異常値などはないかを確認します。

プロジェクト中盤

実際に詳細な分析やモデル構築を開始します。 ここでは機械学習やAIの知識が求められます。 テーブルデータや画像、時系列データなど幅広い種類のデータを扱うため、様々な技術を知っておく必要があります。 そして、それぞれの技術にどんな特徴があるのかをわかりやすくお客様に説明して、納得していただいた上でプロジェクトを進めます。

いくら適した技術を選んでも機械学習やAIというのは実際にやってみないと、どれくらいの精度が出るのかわかりません。 実際にやってみると、思ったよりも大幅に精度が低いといった結果が出ることもあります。 そういった場合は、結果と推測される原因、さらに解決策を資料にまとめて報告し、お客様と次の指針をすり合わせします。 場合によっては、目標の再設定や優先度の変更を行います。

プロジェクト終了

プロジェクト開始時に立てた目標に対して、最終的な結果がどうだったのかを資料にまとめて報告します。 目標に到達できていない場合、続けて目標を達成するための活動を行うことを提案します。 目標に到達できている場合は、作成したモデルを組み込んだシステムの提案などを行います。 もちろん状況によりますが、プロジェクトが終了すればそこで終わりではなく、我々のゴールは、お客様がこのAIやプロジェクトの結果を用いて、ビジネスに活用できるようにするところです。

最後に

この記事ではAIコンサルタントの仕事についてご紹介しました。 AIコンサルタントの仕事のイメージはついたでしょうか。

AIコンサルタントは、AIに関するスキルはもちろん必要ですが、それ以外のプレゼンテーション能力などのスキルも同様に求められる仕事です。 そのため大変なことも多いですが、大学や大学院でAIや機械学習を学んだ人にとっては、それらの知識を活かしつつ、お客様のビジネスに貢献できるやりがいのあるお仕事です。

この記事を読んだ後、AIコンサルタントという仕事に少しでも興味がわいているとうれしい限りです。

また、AITCではカジュアル面談も行っているため、お気軽にお声がけいただければ幸いです。下記のページにAITCの採用に関わる情報がまとめられていますのでぜひご覧ください。

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執筆
AIコンサルティンググループ
小川 裕也