生成AIエージェントはAI社員になり得るのか? ビジネスにおけるAIエージェントの可能性

こんにちは。AIトランスフォーメーションセンターの徳原光です。

日頃は生成AIに限らず、お客様の課題をAIやデータ活用で解決するために、AIモデルの構築やAIモデルを運用のためのシステム開発を行っています。

2022年、ChatGPTをはじめとするLLM(大規模自然言語モデル)の登場で大きな進展を見せたAI界ですが、2024年に入ってから次なるトレンドとして、生成AIによるAIエージェントへの注目が日に日に高まっています。

AITCでは、他社に先行して、AIエージェントに関する技術調査や研究開発を行っております。私自身も、AIエージェントがこれまでのAIでは考えつかなかったようなビジネスメリットを生み出すのではないかと期待を寄せています。

そこで、今回のコラムではビジネスにおいて生成AIエージェントがどんな変革をもたらす可能性を秘めているのかを、お話ししたいと思います。

能動的にタスクを組み立て、自らの成果物を確認するAIエージェント

AIエージェントとこれまでのAIは何が異なるのか?それは、AIエージェントにはこれまでのAIにはない「計画力」と「自己修正力」、「ツール利用力」を有していることにあります。

1つめの計画力ですが、これはユーザーから与えられた目的の達成のために自ら具体的なタスクを考え、順序立てて計画を立てる能力です。

例えば、AIエージェントに出張のアテンドを依頼するとします。ユーザーは出張先や日程、人数の情報を伝えることになりますが、AIエージェントはその情報から、「遠方の出張なら新幹線の時刻表を調べる」、「更に遠方なら航空機の時刻表を調べる」、「出張先と駅や空港が離れていればタクシーの予約をする」、「泊りがけの出張なら、出張先周辺の宿泊施設を調べる」といったように必要なタスクを考えます。

加えて、「搭乗するフライトを決定してから、到着時刻にタクシーが空港で待機しているように、タクシーを予約時間を決定する」と、AIエージェントはそれぞれのタスクの実行順を考えタスクを組み立てることができます。

2つめの自己修正力は、それぞれのタスクの実行結果を確認し、修正する能力です。

先程挙げた出張のアテンドの例では、搭乗するフライトを決めた後、空港から出張先までの移動時間を計算し、先方との約束の時間に間に合うか確認します。間に合わない場合はフライトの選び直しを実行します。

3つ目のツール利用力ですが、これは必要な情報が記載されているWebサイトやデータベースから情報を収集する、アウトプットとしてWordやPowerPointを使用して資料を作成する、予約システムで予約をとるなどのツールを使用する能力です。

出張のアテンドの例で考えると、例えばWebサイトから航空機の時刻表を取得し、航空会社の予約システムでフライトの予約をして、関係者に出張時のスケジュールをメールで連絡します。

ここまでのAIエージェントの説明から、「AIエージェントはまるで社員のようではないか!」と思われるかもしれません。AIエージェントとは一つの入出力とどまっていたこれまでの生成AIとは異なり、人間のように振る舞うことでタスクを実行できることが大きな特徴になります。

人間に依頼するように、指示を出せることのメリット

AIエージェントがビジネスにおいて非常に有効な技術である理由は、人間に依頼するような粒度で指示を行うことができることにあります。

これまでのAIを利用する場合、例えばOK/NG判定のような、判定処理だけAIで実施して、その指示を完了するために必要なタスクは、すべてプログラムを組む必要がありました。そのため、AIによって業務をITで処理できるようになりましたが、全体として得られるビジネスメリットが限定的になることも多いです。

しかし、AIエージェントは人に指示を出すように利用することができ、アウトプットもツール利用力や、そもそもの生成AIの表現力によって、AIエージェントがカバーできる領域が、これまでの単体AIと比べて広くなります。

新しくチームに人員が追加されたような恩恵を得ることができます。しかもAIエージェントはどれだけ仕事をこなしても疲れることはありません。仕事の実行スピードも人間よりも早いという特徴もあります。

夢のAI社員、AIエージェントはどのように実現されるのか

ここからはAITCで現在、研究開発中の生成AIによるAIエージェントの仕組みを少しだけ紹介します。

AIエージェントは異なる役割を与えられた複数のLLMモデルの集合体と言えます。

ユーザーから与えられた指示を理解する指示理解AI、その指示を達成するために必要なタスクを洗い出し実行順を序決める計画AI、ツールを使いこなしそれぞれのタスクを分担して実行するタスク実行AI、すべてのタスクの結果を確認、必要があれば修正し最終的な結果を出力する自己修正AI、これらのAIをそれぞれの役割に最適化されたLLMが担っています。

このフローや使用できるツールを試行錯誤することで、AIエージェントはより汎用的に様々なユースケースに対応することが出来ます。

現在想定されているAIエージェントのユースケースは以下のようなものになっています。

  • 書類、資料のレビュー作業
  • 調査レポートの作成
  • カスタマーサポートのオペレーター業務
  • データ分析
  • ソフトウェアの開発、保守

これらの業務をまるで人間に依頼するようにAIエージェントに依頼できれば、業務効率を格段に改善することができると思いませんか?

更に詳しい仕組みや運用事例、技術に関しての情報は、以下のコラムに記載されていますので、ぜひこちらもご確認ください。

aitc.dentsusoken.com

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AIエージェントは急速に応用の幅を広げています

AIエージェントは研究が始まったばかりの技術ですが、現在急速に応用の幅を広げています。私達が本当にAIに期待していることを叶えてくれるAI、それがAIエージェントなのかもしれません。AIエージェントの実用化に向けて、AITCでは研究開発やPoCプロジェクトを推進しています。

AIエージェントの最新情報や活用のためのノウハウを定期的にこちらのコラムで公開してしますので、今後もご閲覧いただければと思います。

AIトランスフォーメーションセンターでは、皆様からのご依頼によりAIエージェントやマルチモーダルRAGといったテーマで、研究開発や共同研究を行うことも可能です。ご要望やご相談事項はお気軽に下記のフォームよりお問い合わせください。

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執筆
AIトランスフォーメーションセンター
徳原