ついに!Azure OpenAIサービスが日本リージョンで“正式に“提供開始

日本リージョンのChatGPTが利用できるようになりました!

7月18日の「Microsoft Inspire 2023」において、米Microsoftのサティア・ナデラCEOから、Azure OpenAIサービスをアジア地域のリージョンで提供する発表がありましたが、ついに東日本リージョンでも提供が開始されました(これまで、Azure OpenAIサービスの提供は、欧州と米国の2つのリージョンのみでした)。

すでに、Azure OpenAIサービスの承認が下りている方は、東日本リージョンを既に選択できるようになっています。

以下に、正式にドキュメントにも記載されています。

【正式】Azure OpenAI Service のドキュメント>Azure OpenAI Service モデル

learn.microsoft.com

これで、ChatGPTのネットワークによるパフォーマンス向上が見込まれますし、弊社が提供するKnow Narrator/ノウナレーター :

Know Narrator - ISIDのChatGPTソリューション powered by Azure OpenAI Service | AITC

のような、ChatGPTを活用した業務システムやサービスを、国内環境で完結できるようになりました。今までもAzureのネットワーク設計をしっかり行うことで、安心・安全な環境で構築はできていましたが、「データ活用は、国内のサービスに限定する」というようなポリシーになっている企業の皆様は、より進めやすくなりました。

今回の日本リージョン開始には、以下のようなニュースもでているように、日本政府への提供の影響もあるでしょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d515d9ad2d70e13595a842df40700facb9c1a069

同時期に、gptのモデルも新しくなっています

これは、日本リージョンが出来たタイミング以前のお話ですが、同時期のトピックとして3つお話しします。

1.gpt-35-turbo-16kという非常に有益なモデルが新たに登場

gpt-35-turbo-16kは、Azure OpenAI Serviceのgpt-35-turboシリーズに追加されたモデルです。最大トークンが拡張され、gpt-3.5-turboの4倍にあたる最大16,384トークンをサポートしています。価格は、入力トークンあたり0.003ドル、出力トークンあたり0.004ドルで、価格はgpt-35-turboの2倍※になります。

※ このコラムを書いた時点で、通常のAzure OpenAIサービスの価格サイトでの表示はまだ行われていないようです。以下のサイトにはその内容の記載があります。

Introducing new and updated models to Azure OpenAI Service - Microsoft Community Hub

このgpt-35-turbo-16kは、利用可能なトークン数が通常のgpt-35-turboと比べて4倍になるため、議事録作成や文書要約などの一般的な用途でも、社内文書の活用においても非常に便利なモデルです。通常のgpt-35-turboしか使用したことがない方は、ぜひご利用してみてください。

2.gpt-35-turbo自体も更新。古いモデルは今後廃止に

また、gpt-35-turbo自体も、gpt-35-turbo (0301)の後継モデルとしてgpt-35-turbo (0613)が登場しています。この新しいモデルでは、コンテキストの理解や全体的なパフォーマンスが強化されていると言われています。

3.埋め込みモデルも日本リージョンで利用可能になっています

文書のベクトル化を行うモデルは、text-embedding-ada-002です。一般のユーザーが直接使用する機会は少ないかもしれませんが、弊社のKnow Narratorシリーズでは積極的に活用されています。

本コラム公開時点では、【正式】Azure OpenAI Service のドキュメント>Azure OpenAI Service モデルには、基本モデルのリージョンに東日本が含まれていないと記載されていますが、既に利用可能な状態になっています。

Azure OpenAIサービスの更新頻度は非常に高いので、サブスクリプション型のサービスが最適

弊社のKnow Narratorのお客様は、現在東日本リージョンへの移行を進めています。また、gpt-35-turbo-16kのモデルも既にご利用いただいています。

Azure OpenAIサービスのような、頻繁な更新が行われるサービスは、個別契約ごとに手続きを行うと時間がかかるだけでなく、作業コストも都度都度かかってしまいます。そのため、弊社のように、サブスクリプション型のサービスを利用することで、新しい機能を迅速かつ確実に利用することができます。

ChatGPTのビジネス活用に関してご興味や課題をお持ちの方は、いつでもお問い合わせ頂ければと思います。


執筆
AITC センター長
深谷 勇次