ChatGPT展開の崖を乗り越えるための方法
はじめに
前回のコラム
では、社内ChatGPT活用DXステップにおいて、Phase2→Phase3/4の部分でなかなか次に進めない、“ChatGPT展開の崖“が存在することを説明しました。
本コラムでは、“ChatGPT展開の崖“をスムーズに超える方法を述べたいと思います。
改めて、ChatGPTの業務適用事例に関して
ChatGPTは非常に汎用性の高い学習済のAIですので、ChatGPT単体でも、いろいろな業務効率化を実現できます。せっかくのChatGPTのコラムですので、GPT-4に聞いてみましょう。
「
- カスタマーサポート: ChatGPTは、顧客からの問い合わせに迅速かつ効率的に対応するために使用されます。これにより、顧客満足度の向上とオペレーターの負担軽減が期待できます。
- コンテンツ作成: ChatGPTは、記事、ブログ、広告コピーなどのコンテンツ作成を支援します。これにより、高品質なコンテンツの作成が効率的に行えます。
- スケジューリングとリマインダー: ChatGPTは、ミーティングのスケジューリングやタスクのリマインダーを提供し、効率的な時間管理をサポートします。
- ソフトウェア開発: ChatGPTは、コードの生成やバグの検出を支援し、開発者の効率を向上させることができます。
- 言語翻訳: ChatGPTは、複数の言語に対応し、翻訳を効率的に行うことができます。
- オンライン教育: ChatGPTは、質問に答えるチューターや学習リソースの提供を通じて、教育支援を行います。
- 自動要約: ChatGPTは、長いテキストや記事を要約して、短く簡潔な情報を提供します。
- データ分析とレポート作成: ChatGPTは、データセットを分析し、インサイトを抽出してレポートを作成することができます。
- メンタルヘルスサポート: ChatGPTは、利用者が感情を共有し、ストレスを軽減するためのサポートを提供します。
- 人事・採用: ChatGPTは、求職者との初期対話を行い、適切な候補者を選定するプロセスを支援します。
- ヘルスケア: ChatGPTは、患者の質問に対応したり、一般的な健康情報を提供することができます。ただし、専門的な医療アドバイスには対応していません。
- ソーシャルメディア管理: ChatGPTは、ソーシャルメディアの投稿やコメントの生成を支援し、ブランドのオンラインプレゼンスを向上させることができます。
- ゲーム開発: ChatGPTは、ゲーム内のキャラクターの会話やストーリーラインの生成を支援し、没入感のあるゲーム体験を提供します。
- チャットボットの改善: ChatGPTは、既存のチャットボットの応答を改善し、より自然で人間らしい会話を実現します。
- 意思決定支援: ChatGPTは、利用者が問題解決や意思決定を行う際に、適切な情報や提案を提供することができます。
- クリエイティブライティング: ChatGPTは、ストーリーのアイデアやキャラクターの開発を支援し、クリエイティブなライティングプロセスを促進します。
- 音楽作成: ChatGPTは、歌詞の生成やメロディアイデアの提案を行い、音楽制作のプロセスを支援します。
- プロダクトマネジメント: ChatGPTは、機能の優先順位付けやリソース管理に関する助言を提供し、プロジェクトの進行をサポートします。
- ファッションとスタイリング: ChatGPTは、ファッションのトレンドやコーディネートのアイデアを提供し、ユーザーのスタイリングに役立ちます。
- 旅行計画: ChatGPTは、目的地に関する情報提供や旅行計画のアドバイスを行い、快適な旅行体験をサポートします。
これらの事例は、ChatGPTの柔軟性と多様性を示しており、さまざまな業界での活用が期待されています。
」
(以上、すべてAzure OpenAIサービスのChatGPTによる出力結果です。1文字も修正していません)
ほんと、ChatGPTはいろいろなことに活用できそうです(笑)。
Phase3:業務プロセスへの適用PoCとして良いテーマを効率的に選び、“ChatGPT展開の崖“を越える
“ChatGPT展開の崖“は、Phase3:業務プロセスへの適用PoC(Proof of Concept)のテーマを何に、どのデータで実施するか、できるかという検討が長引くことや、アジャイルだと進めてみたけど上手く進まなくてストップするようなことで発生します。
”Phase3:業務プロセスへの適用PoC”のテーマとして選ぶべきものは、一般的なPoCと同様に、以下のようなマトリックスの右上のテーマです。有効性と実現容易性が高いテーマとなります。優先度としては、有効性が高いモノを選定してから、実現容易性を検討するのが良いでしょう。
有効性が高いものから検討した方が良いのは言うまでもありません。その企業の誰にとって、どこに対してという部分が大きいので、Phase1のPoCに参加された様々な部署の方々と議論して決めることが望ましいですね。
しかし、その議論をスムーズに進めるためにはどうしたらよいでしょうか?
ロジカルな議論にするには?だれかの声の大きさで選択されないようにするには?実際にニーズのあるテーマなのか?その議論で有効なのが、Phase2のシステムで保存された、利用者のユーザーログになります。
ユーザーログを分析し、先入観や偏見にとらわれずにデータに基づくファクトフルネスな判断をすることでスムーズにプロジェクトを進める
Phase3のPoC(その後のPhase4の更なる展開にも繋がる)テーマは、以下のように、Phase2のプロジェクトで発生しているユーザーログを分析する、つまり実際のユーザーの利用目的や、利用している、利用したいと思われているデータを把握して、決めて行くことが有効です。
実現容易性の観点で重要な観点として、技術的な容易性以外に、実際に適用したい業務のデータが存在するか?という観点もありますが、ユーザーの利用ログを把握することで、単に目的だけではない、データ観点での確認をすることもできます。
勿論、実際のユーザーの声として、ユーザーにアンケートをとって有益な業務適用先を把握することも重要ですので、ぜひアンケートデータ(これも一種のユーザーログ)と、利用ログの掛け合わせによる分析をおすすめします。
本コラムのサブタイトルである「ChatGPT展開の崖を乗り越えるための方法」の解は、”Phase2.5:利用ログを分析し自社にとっての利用価値を把握”を1つのPhaseとして推進すること、だと考えています。
以上から、スムーズにChatGPTを業務に適用し、価値に繋げていくためのステップは、以下のようなステップとなります。
“ChatGPT展開の崖“をなくし、スムーズに社内ChatGPT活用DXステップ越えるための仕組み
“ChatGPT展開の崖“をスムーズに越えるための仕組みの実現には以下のようなシステムが有効だと考えています。
“ChatGPT展開の崖“をスムーズに越えるための仕組み
Phase | 仕組み |
---|---|
Phase2 | [Azure OpenAIのAPI](https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/cognitive-services/openai/reference)]を利用した自社専用のChatGPTシステムと、ユーザーの利用ログの管理データベース環境 |
Phase2.5 | 貯まったユーザーログを統計的に分析できる仕組み。ユーザーニーズや利用用途を把握し、Phase3以降の活動へのインプットにできる |
※Phase1として安心・安全にChatGPTは利用できる環境は構築済の前提
※※ユーザーの利用ログを安全に管理するためにも、自社専用のAzure環境を推奨
まとめ
本コラムでは、ChatGPT技術を、より広範囲に有効な業務に適用していくために、前編で言及した“ChatGPT展開の崖“をできるだけスムーズに乗り越えるための方法と、その仕組みに関する考え方を説明しました。今後ChatGPTの活用を検討される皆様の参考になれば幸いです。
何事もやってみることは重要なので、まずは社内に安心・安全にChatGPTを利用できる環境を構築することは重要ですが、社内ChatGPT活用DXステップのPhase4を見据えた上で、プロジェクトを進めていくことも重要であると思います。
AITCでは、本コラムで記載したようなプロジェクトを推進しておりますので、Azure OpenAI Service ChatGPTの業務/サービス利用等に関してご興味ある方、推進されたいと思われている方は、下のお問い合わせからいつでもご相談ください。
執筆
AITC センター長
深谷 勇次