AIの操作手段としてチャットボットを選択することで、AIシステムの利便性を向上させることが可能になります
チャットボットを活用してAIをより身近に
AIシステムにはAIを操作する手段が必須
AIを業務の中に組み込むには、AIを搭載したシステムの中に何らかの操作手段を用意しなければならないことをご存知でしょうか。
一言にAIを操作する手段といってもさまざまなものが存在します。例として、ブラウザ上の操作画面からAIを操作する方法や、コマンドラインツールからコマンドを実行することでAIを操作する方法があげられます。
さらに、ブラウザ上でpythonなどのプログラムコードを実行可能にするjupyter notebookというアプリケーションが用いられることもあります。
これらの、ユーザーがAIを一連のシステムとして利用するために用意される操作方法はUI(ユーザーインターフェース)と呼ばれ、AIをシステムとして日々の業務に組み込むにはなくてはならないもので、UIがなければAIを構築しても利用することができません。
新しくUIを用意することで新しい業務発生することも
しかしこれまでの業務にAIを導入する際、新規にAIを操作するためのUIを用意すると、作成したUIにアクセスするための新たな業務が発生してしまうことがあります。
例えば、自然言語処理機能を搭載したAIシステムを構築し、これまで共有データサーバでファイル名を検索することによって行っていた社内のドキュメント検索の結果を、AIを用いてより関連性の高いものにするとします。
AIによりサーバー内のファイルを検索することで、「決算」と「会計」のように一致していない語句が含まれたファイル名であっても、AIが語句の関連性を判断して検索結果に表示したり、より関連性の高いファイルを優先的に表示したりすることが可能になります。
しかし、このAIシステムを社内ネットワーク上のwebアプリケーションとして利用するには、
ブラウザ上でwebアプリケーションにログインする 検索画面で検索ワードを入力する 検索結果から目的のファイルをブラウザによりローカルにダウンロードする という手順を踏む必要があります。
AIシステムで検索精度が向上するメリットは存在していても、検索業務自体に必要な時間が増えてしまっては業務効率化にはつながりません。
こうしたシステムはAIの認識精度が高かったとしてもいずれユーザーに使われる機会は減少してしまします。
チャットボットにより日常的に使っているビジネスチャットツールでAIを操作できる
チャットボットをAIシステムにUIとして組み込むことで、より身近な形でAIを日々の業務に活用することができます。
先程の社内ドキュメントシステムを例にあげて説明をしたいと思います。
社内の誰かに連絡を取る場合と同様に、ビジネスチャットツールでAIシステム名を検索しメッセージを送ることでAIシステムに指示を出すことができます。
そして、「〇〇に関連するドキュメントを検索して」というようにメッセージを送れば、即座にAIから関連性の高いファイルのファイル名とURLが送られてきます。
アカウント情報はビジネスチャットツール上で管理しているので、新たにAIシステムを利用するために認証を行う必要はありません。
上の図は、文章検索AIシステムのUIをチャットボットで構築した際のイメージ図になります。お使いのビジネスチャットツールのユーザーリストからAIチャットボットを選択することでAIシステムとのチャットを開始することができます。
こうすることでソフトウェアのインストールやログイン認証などは一切行わずにAIシステムが操作可能になり、より日常の業務に身近な形でAIの恩恵を受けることができるのです。
さらに、チャットボットに売り上げ予測AIや画像分類AIなど複数のAIモデルを組み込んでおくことで、命令を変えるだけで複数の業務をこなすことができる汎用性の高いAIシステテムを構築することも可能です。
テキストだけではなく、画像データや音声データ、CSVファイルなどもチャットボットを経由してAIの入力にすることができます。
このようにチャットボットを応用することで柔軟なAIシステムの構築が可能になります。
チャットボットによりAIシステムを運用して、日々の業務をさらに効率化しませんか
AIシステムの利便性を向上させるために、UIとしてこれまで用いられてきたCLIやwebアプリケーションに加えて、チャットボット選択肢に入れることでAIの恩恵をより身近なものにすることができます。
せっかくAIを構築しても使われることがなければ、業務に貢献することはできません。
前述したように、チャットボットには複数のAIを組み込むことが可能で、AITCが開発しているAI製品を搭載することもできます。
さらに、作成したチャットツールはビジネスチャットツールのほか、ソーシャルメディアやwebアプリケーションなど複数のプラットフォームで運用することも可能になります。
AIをより身近なものにするために、UIとしてチャットボットを選択してみるのはいかがでしょうか。
執筆
AIコンサルティンググループ
徳原光