NLP2023(言語処理学会年次大会)参加レポート

はじめに

AITC製品開発グループの岩本です。

AITCはNLP2023に論文を投稿し、一般セッションで発表を行いました。ISIDは言語処理学会のプラチナスポンサーとして、会場でスポンサーブースの出展も行いました。 今回の学会には、AITCから10名が参加しました。

沖縄の貸会議室にて(会場では全員集まるタイミングがほあまりありませんでした...)

この記事では、学会の様子やAITCメンバーのブースや発表での様子をお伝えします。

NLP2023

NLP2023は、自然言語処理に関する研究発表を行う学会である言語処理学会の29回目の年次大会です。今年は、オンラインとオフラインのハイブリッドで沖縄コンベンションセンターで開催されました。オフライン開催は2019年以来で、実に4年ぶりとなります。発表件数579件、スポンサー80団体、参加登録者数1761人(当日参加除く)でいずれも過去最高の数となり、歴代最大規模の年次大会でした。

企業ブース入口

会場エントランス

セッション

セッションは、チュートリアル、講演、研究発表(口頭、ポスター)など様々な形式で行われました。内容は翻訳、情報抽出、分類、要約、生成、対話システム、言語資源、言語教育など多岐にわたります。

数あるセッションの中でも「緊急パネル:ChatGPTで自然言語処理は終わるのか?」は特に注目を集めました。このセッションでは、ChatGPTにできること、できないこと、今後自然言語処理の研究やビジネスはどうあるべきかなどについてパネルディスカッションが行われました。表題の「ChatGPTで自然後処理は終わるのか」については、Yesと答えた方もNoと答えた方もいましたが、結論としては自然言語処理の研究は終わることはなく、ChatGPTにより明らかになった課題や疑問をベースに研究は続いていくというものでした。具体的には、推薦、生成、要約のような言語処理のコアの分野から、教育応用、Web・SNS応用、発達言語学などより社会に近い分野に関心が移っていくのではないかという内容でした。

今年は、大会期間中にOpen AIの大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)であるGPT-4が発表され、自然言語処理の研究やビジネスにLLMがどのような影響を与えるのか強く意識された大会だったと思います。

ブースの様子

企業ブースでは、立ち寄っていただいた方々に、AITCという組織やAI3製品(TexAIntelligence, OpTApf, DiCA)について紹介しました。AITCの紹介だけでなく、学生の方とは研究について、他のブースの企業の方とは業務についてなど様々な話題で盛り上がりました(やはりChatGPTの話題が多かったです)。

学生の方に会社紹介を行う様子

ブースで配布した資料

発表の様子

ISIDからは、「分類タスクにおける不確実性の高い文章の傾向調査」というタイトルで太田真人とファイサル・ハディプトラが発表を行いました。

発表資料

内容としては、信頼できる文書分類システムの実現に向け、予測の不確実性を定量化する手法が誤分類要因を特定するのに役立つかを検証するものです。学術的な内容の発表も多かったですが、AITCは実務に近い内容を発表いたしました。

太田真人が発表を行う様子

おわりに

この記事では、NLP2023でのセッションやメンバーの様子をお伝えしました。

GPT-4の発表や緊急パネルセッションは、現在の研究やビジネスの意義を問うものでしたが、そこからどうしていくべきかの示唆など得られるものも多かったです。また、個人的にはAIの分野に関わる様々な企業の方と直接お話しできたのは良い刺激になりました。

今後もAITCは日々の研究成果を学会等で発表していきます。

現在、AITCでは一緒に働くメンバーを募集しています。 まずは下記URLから気軽にカジュアル面談にご応募ください。

https://forms.office.com/r/a6NuyRU3t3